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カリブ海に追いつけ

CEPFスタッフは、保全戦略の実施支援チームと連携しています。
by Larura Johnson
 

  カリブを想像する時にあなたは、ポストカードにあるような白い砂浜ときれいな水、そして水着のままヤシの木の下でくつろぐ人々このような風景を想像していませんか。そのような風景は確かにカリブ海諸島の現実の一部ではありますが、同様に重要なことは、生物多様性のある生態系の状態に影響を及ぼしている、行政や社会経済、そしてその地域の文化的規範の実態です。
カリブ海諸島は、少なくとも1,500の固有植物種が生息している生物多様性が豊かでありながら、もともとあった生息環境の少なくとも70%が失われた可能性があるため、地球にある34の生物多様性ホットスポットのうちの一つに分類されています。

ホットスポット内のカリブ海諸島、つまりメキシコ湾と北アメリカの南東と中央アメリカの東部から、南アメリカの北部にまたがる島々は、それぞれがまったく違った生態系を持っています。そしてそれらの生態系は、ポストカードから連想させるようなカリブ海諸島の風景よりも複雑です。のどかな海岸沿いとゆったりとした暮らしは一般的ではありますが、一方で、その地域にとって不可欠な生態系と固有の生物種を保護するために、緊急を要する取り組みが進められています。クリティカルエコシステムパートナーシップ基金(CEPF)は、これらの保全活動に大規模な投資支援を行なっています。

 私は最近、かつての同僚であるCEPF助成金コーディネーターのマリック・ケイタと同じく助成金ディレクターのミッチェル・ザドールと一緒に、ポートオブスペイン(トリニダードトバゴの首都)へ行きました。 

 マリックとミッチェルと私は、地域のNGOであり、今後5年間にわたって行われるカリブ海での諸島での投資期間中にCEPFの地域実施チームとして協力するカリブ海諸島天然資源研究所(the Caribbean Natural Resources InstituteCANARI)にて3日間を過ごしました。

CEPFはカリブ海地域に690万ドルを下記4つの保全戦略のために提供しています。

1.45箇所の生物多様性重要地域の保全と管理の改善を行う。

2.保全戦略を土地景観と開発計画、そして6つの保全コリドー(保護地域を含め、保     全上の鍵となる生物種の生息域をつなげる上で 戦略的に位置している地域)での実施に組み込む。

3.カリブ海の市民社会を支援し、地元と周辺地域のキャパシティビルディングとステークホルダーとの協働を発展させることによって、生物多様性保全を達成する 

4.ハイチ市民社会に対して2010年に起きた地震の影響を緩和策として、緊急支援を提供していく。

RITはトリニダードに拠点を置く、CANARI5名からなるチームと3カ国のコーディネーター(ジャマイカ、ハイチ、ドミニカ強化和国にそれぞれ1名ずつ)で構成されています。

RI Tとして、CANARIがフィールドにおけるCEPFの拡大システムの役割を持ち、CEPFの小規模資金(20,000ドル以下)と大規模基金の契約を管理するための様々な側面を支援しています。また、助成金受給者とステークホルダーの間で学び合うことや、CEPFのレバレッジの機会を特定したり、その他のドナーと協働して保全プロジェクトを行うことも支援しています。

 

CANARIのエグゼグティブディレクターのニコル・レオタードは、カリブ海地域で保全が成功する上で鍵を握るのは保全の必要性を学ぶ前にまず人々を理解することであり、その精神がなければ保全、あるいは市民社会の活性化の成果はない、と言います。
次のカリブ海諸国の保全活動を行う市民社会組織がCEPFの基金の受給対象団体になります。

アンティグア・バーブーダ、ドミニカ共和国、ハイチ、ジャマイカ、セントクリストファー島、ネヴィス島、セント・ルカ島、セント・ヴィンセント島、グレナダ、バハマ、バルバドス

 なお、間もなく、ハイチ、ドミニカ共和国、そしてジャマイカの助成金受給決定者がプロジェクトを開始することになっています。

CEPFは市民社会の関与とキャパシティビルディングに焦点を当てるもので、カリブ海地域に与えてくれたまれにみる重要な生態系保全しています。伝統的には、この地域は市民社会による保全活動に資金を拠出することで注目されることはありませんでした。” RITのマネージャー、アナ・カディスは、このように述べています。

地域的な背景

 

ハイチを除いて、この地域は中程度以上の収入を享受できていますが、経済的な不均衡は裕福な国でさえもさえもきわめて高く、貧困は地域全体の懸念となっています。もし現在の傾向が続けば、この地域の限りある天然資源は、生態系の供給量に需要が追いつかず超えて枯渇してしまうでしょう。

今後予想される人口増加や、都市化、貧困が増加によって、この地域の生態系や生物多様性は脅威にさらされています。このような現状で、CEPFの基金はますます重要なものとなっています。

カリブ海諸島は山地雲霧林から低木林まで、たぐいまれな生態系の連なりがあり、ソレノドン(巨大なトガリネズミ)やマウンテンチキン(最も大きなカエルの一種です。)など極めて絶滅の危機にさらされている多くの生き物の宝庫なのです。こうした生物多様性に対する脅威に対し、迅速な対応や財政的支援が求められています。

カリブ海全域にわたり、多くの人が海の近くに住んでいおり、、マングローブや海岸、環礁、サンゴ礁のような沿岸生態系は、生物多様性の面においてだけでなく、諸島地域では日常的な光景である熱帯暴風雨の影響を和らげるのにも欠かせません。さらに、こうした生態系は、商業用の魚類の生息地となっているのに加え、バカンスや観光の拠点であるなど、。カリブ海の経済にとって重要なな要素です。

 ウミガメに出会った夜

トリニダードでの最後の夜、マリックとミッシェルと私はタクシーを捕まえ北東の沿岸マチュラビーチへ向かいました。そこは、オサガメが巣作りのために一年に一度だけその砂浜にやってきて、卵を産み、孵化させるために砂の中に埋める、非常に荘厳な風景が見られるのです。私たちは旅行の時期をうまく合わせ、その滅多にない機会の証人になりました。

 

オサガメはとても大きな体をしています。最大で全長12フィート、体重1200ポンドにまで成長します。(これはフォルクスワーゲンのビートルと近い大きさです)メスのオサガメは巣作りのため夜浜辺にやってきます。約1時間ほど陸地に滞在して穴をほりそこに100個ほどの卵をうみます。メスは何ヶ月もの間、こうして繰り返し何度も浜辺に戻ってきては卵を産みます。

ウミガメはカリブ海の生態系の重要な役割を果たしており、クラゲを食し、数を規制するなど、いくつかの重要な機能を果たしています。今日、ワシントン条約(CITES)によってすべてのウミガメ産品の国際取引は禁止されていますが、伝統的な習慣や儀式の一部としてオサガメの肉や脂、卵の使用が許可されている国もあります。

IUCNのレッドリストによると、オサガメは絶滅の危機に瀕していますが、カリブ海には保全のサクセスストーリーがあります。かつて住民は伝統的にウミガメの卵を密猟・捕獲していました。しかし地元の保護団体やボランティアの支援によって、恥ずべき行為にみなされるようになり、保全の動きが高まりました。今日マチュラでは、赤ん坊のカメが殻をやぶるまでの二ヶ月間、ボランティアが人間や捕食動物から卵を守る活動をしています。

このような光景を目にして、謙虚な思いと感動の気持ちが湧き上がりました。デスクに座ってその夜の写真を見ると、なぜ保全が重要なのかを思い起こさせられます。もし私たちが注意をしなければ、オサガメのような素晴らしい生き物は将来世代にはいなくなるばかりか、地域のあらゆる形の生命に依存する生態系が脆弱になってしまうでしょう。